井戸を掘ったのに、思ったほど水が出ない…。
そんな時、どう判断すればいいのか迷いますよね。
この記事では、井戸掘削15年の筆者が「水が出ない時に諦めるべきか」「増掘りすべきか」の判断基準を、実体験をもとにわかりやすく解説します。
井戸を掘ったのに水が出ない…その時どうする?
企業や農業用途など、ビジネス目的で井戸を掘るケースでは、「水が出ない」「思ったより水量が少ない」となると、計画に大きな影響を及ぼします。
実際、私自身も15年以上井戸掘削に携わる中で、何度もこのようなケースに遭遇してきました。
今回は、「井戸を掘っても水が出ないとき、どう判断すればいいのか?」というテーマで、プロの目線から具体的な判断材料をお伝えします。
【結論】基本は「諦め」も視野に。ただし例外もある
まず、基本的な結論としては「水が出ない井戸は諦める」ことを前提に考えた方がよいです。
しかし、地下構造や予算の状況によっては、「もう少し掘り進めた方が良いケース」や、「場所を変えた方が良いケース」も存在します。
では、どうやってその判断を下せばよいのでしょうか?
判断材料①:地下探査を活用する
近年では、井戸掘削前に地下探査を行うことが一般的になってきました。
中でもおすすめなのが「垂直電気探査(VES)」です。
垂直電気探査とは、地面に電流を流して比抵抗値を測定し、地下数百メートルの地層を推定する方法。
比抵抗によって岩盤の種類や地下水の有無をある程度見極めることができます。
これにより、例えば「50m以降は硬い花崗岩層で水が出にくいから掘削をやめよう」といった判断が可能になります。
判断材料②:予算を明確にしておく
井戸掘削には当然コストがかかります。
目的が「水道料金の削減」や「災害対策」の場合、費用対効果が見合わなければ本末転倒です。
だからこそ、事前に予算ラインを決めておき、「この金額を超えたら損切りする」と明確な基準を持つことが大切です。
特に注意したいのが“サンクコスト”の罠。
「ここまでお金をかけたから、やめるにやめられない…」という心理が判断を鈍らせます。
冷静に引き際を見極めることも、長期的に見て正しい選択につながります。
おわりに|井戸掘削に絶対はない。だからこそ判断基準が大切
井戸掘削は自然相手の仕事。
どれだけ経験を積んでも、「掘ったら必ず出る」という保証はありません。
株式相場と同じで、ある種“運”の要素も含まれています。
だからこそ、科学的な根拠(地下探査)と経済的な基準(予算)をもとに、冷静な判断を下すことが重要です。
この記事が、井戸掘削に悩む方の一助になれば幸いです。
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